日 時 ２月２８日（火）１３時１５分～１３時３０分
場 所 大阪高等裁判所 本館の前
獲得運動の成果 抽選券配布枚数 １５７ 枚
傍聴席 一 般 席 ５４ 席
原告優先席 約２０ 席
靖國神社席 ２ 席
当方動員数 約６０ 名
当方傍聴券獲得数 約 ２０ 席
※日本会議の関係者を併せての人数です。
○報道席を多くとっていたようです。毎回７０席くらい傍聴席があるので、２０席くらい
だったと考えられます。
○締め切り時間後に来た原告が、「せっかく頑張っているのに、抽選券がもらえないのは
○報告会
日 時 ２月２８日（火）１４時３０分～１５時４５分
場 所 大阪天満宮 天満宮会館
参加人数 約４４名
ご 来 賓 【靖國神社】德川宮司・山本禰宜・宮澤参事・随行１名
【神社本庁】服部神政連幹事長・藤岡録事
報告会要事
①神宮遥拝
②大阪府本部 衞藤本部長 挨拶
今日の判決で、大阪では一応の決着をむかえたわけですが、それまでの間、皆様からの御協力を賜りました事、厚く御礼申し上げます。とりわけ、近畿各県からわざわざお忙しい中、足を運んで頂けました事、重ねて御礼を申し上げます。
国の為に、一命を賭して殉じられた英霊に対して、感謝と不戦の誓いという思いで以て、英霊に対して感謝の思いを表すことは、我々からすると至極当たり前のことでありますが、「殊に一国の長である総理大臣が参拝することは、精神的な苦痛を受けた」と我々からすると常軌を逸したというか、精神的に異常をきたしている風にも思ってしまいます。英霊もさぞや悲しい気持ちになっているものと思う訳であります。
一日も早く、靖國神社関連訴訟が片付きますように、そして、そのことによって、英霊の御霊が安らかに鎮まりますことをお祈り申し上げまして、挨拶とさせていただきます。
③靖國神社 德川宮司 挨拶
本日の判決は私共にとってまことに喜ばしいものでした。
この判決に到るまでの長い期日、大変お世話になりました。特に近畿神社界の皆様にはお世話になったと竹野下弁護士から聞いております。
私が靖國神社に赴任いたしましたのが平成２５年の１月でございまして、その年の１２月に安倍首相の参拝がございまして、翌年の４月に大阪地裁に提訴されたというケースでした。この裁判はおそらく日本で初めてだと思うのですが、インターネットで原告を募ったという裁判でした。
昨年、地裁での判決が出ましたが控訴され、今年までかかってしまったわけではありますが、東京では地裁でまだまだ続いております。東京は４月に判決をだすと裁判所が言っておりましたので、終わりが見えてきましたがあと２ヶ月近くはかかるわけですが、東京でも判決が出ましたら控訴するのではないかと思われます。いつ終わるか予想が出来ないわけでして、こういった裁判が続いていることで安倍首相も平成２５年の参拝以降お参りできていないことは非常に残念なことです。もっと自然に靖國神社にお参りをしていただきたいということは、私を始め職員一同が思っている事であります。そういった風土が出来上がることを願っております。
本日の判決におきましては、皆様方には厚く御礼を申し上げるしだいであります。
④大阪府神社庁 寺井名誉庁長 挨拶
長年にわたり、こういった裁判が続けられています。
大阪では神道政治連盟が中心となって、先般第７回沖縄なにわの塔での慰霊祭を行ってまいりました。衞藤本部長を始め４０数名参加し、向こうでお祭りをしてまいりました。その時に私が本当によかったなと思いましたのは、現地の方々をお招きして交流を持てたことです。私達が知っている情報はテレビ等のマスコミを通じてのみであります。現地の人達は本当はどういうお考えなのかというようなことも目的にありました。
また、「最近南部に各地の慰霊碑があるのだが、最近慰霊の人の数が減ってきている」という地元の方々の声を聞きしました。我々はのど元を過ぎれば、となっているのではないかと思いました。我々は沖縄の尊い犠牲の下、今日の日本があるということをしっかりと再認識しないといけないと、強く思ったしだいであります。
特に若い世代は当時の事を歴史上の一コマとしてしか認識していない人が多くいるということを知らなければならない。そういった中で、慰霊の心というものを訴えていかなければならない。その為の切り口のひとつがこの靖國裁判であり、真実はこうなんだということを、外に向かって言わなければならないということを強く思いました。
⑤神道政治連盟 服部幹事長 挨拶
この度の大阪での裁判、いい結果が出たようであります。本当に長い間、近畿地区の皆様、神政連・日本会議の皆様、それぞれ御協力を賜りました事、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
神政連中央本部では、昨日と今日時局対策連絡会議というものを開きまして、若い人達に集まっていただき、憲法改正についての基調講演をいただいた上での意見交換を行っております。
神社本庁では、５月の評議員会では靖國神社の公式参拝と自主憲法の制定は毎年必ず上程され、当番県から意見発表と皆様からの意見発表を毎年行っております。神政連も政策の大きな柱であり、全国の同士と国会議員の先生方と共に、これに力を合わせております。
靖國神社の訴訟に対しては中々、難しい時期もございましたが、今日も傍聴をさせていただきましたが、原告の大多数はいわゆる団塊の世代でありました。若いころに学生運動をしっかりとやってきて、その頃のことを今も引きずっているのかなと思いました。やはりマスコミを中心として、我が国の敵は国内にありということを自覚しておかなければならないと思います。
これからも神社本庁・神政連を含めまして、憲法改正という大きな課題に向けて取り組んでいる最中であります。本日の判決を受けて、東京ではまだ残ってはいますが、それを大きな弾みにして全国の皆様の力を結集して取り組んでいきたいと思います。
これまでの皆様方の心からなる御協力に感謝を申し上げ、今後とも変わらぬお力添えを賜りたくお願いを申し上げ、挨拶としたいと思います。
⑥竹野下弁護士 報告
本日は御協力を賜りまして、ありがとうございました。お陰様でいい判決をいただくことができました。
先ず今日の判決から簡単にお話させていただきます。控訴人が３８８名いることから、全体のページ数が２５頁になるのですが、実質は７頁しかないものです。
しかもこの判決は今まで、ここまで徹底したことはないのですが、引用判決といって、地裁の判決を全面的に引用して、一部については、「何頁の何行目から何行目まではこう改める」という形で書いてあるので、原判決を併せて見ないとよく分らないという形になっています。これは要するに、「原判決は誠に妥当だ。文句なし」ということであり、逆に言うと、相手方からすると非常に屈辱的な判決と言える。そういう意味で、１００％完勝と言えますし、相手方にはそれだけダメージが大きいとも言えます。
一番向こうが求めていた憲法判断については、「原判決に加えて２０行ほど付け加える」とされています。その中身は次の通りです。
『以上の通り、控訴人らは本件参拝及び本件参拝受け入れによって権利又は法律上保護されるべき利益を侵害されたとは認められないから、控訴人らの請求は、その余の点について判断するまでもなくいずれも理由がない。
なお、この点について、控訴人らは、本件参拝が内閣総理大臣の職務行為に該当するか否かを判断し、これが政教分離原則（憲法２０条３項）に違反するか否かを判断すべきである旨主張するので、念のため補足する。
民事訴訟事件における判決の理由は、結論である主文を導くのに必要な限度で付すべきものであり、かつそれで充分である。本件においては、本件参拝及び本件参拝受入れによって控訴人らの権利又は法律上保護されるべき利益が侵害されたとは認められない以上、控訴人らの請求はいずれも理由がないから、本件参拝が内閣総理大臣の職務行為といえるか否かを判断する必要はない。まして、我が国の裁判所による憲法適合性の判断は、具体的事件を前提とし、その結論を出すに当たって必要な場合に、かつその限度で行われるものである。本件の場合、本件参拝が内閣総理大臣の職務行為と言える場合に初めてこれが政教分離原則に違反するか否かという憲法適合性が問題になる。ところが、本件においては、上記のとおり、結論である主文を導くのに本件参拝が内閣総理大臣の職務行為と言えるか否か自体を判断する必要がないから、その違法適合性を判断する必要があるとはいえないことに帰する。したがって、控訴人らの主張は採用することができない。』
要するに「憲法判断をわざわざする必要が無い」とわざわざ書き加えてあります。相手側は、控訴をして平和的生存権等を付け加えているわけです。それに対する控訴審での主張に対する判断は３行だけです。内容は次の通りです。
『控訴人らの当審における主張については、上記１において原判決を補正の上引用して説示したとおりであり、本件の結論を左右するものではなく、いずれも採用することができない。』
極端に言えば、向こうの主張はほとんど無視されたという結論に等しい状況ですので、１００％完全勝利とはっきりと言えるわけです。
基本的には今回でおしまいです。おそらく最高裁に持っていくでしょうが、最高裁で受理されることはないと思います。
この判決の意義を、今までの流れをふり返りながらまとめてみます。小泉参拝訴訟においては、様々な流れがあった中で最高裁がだした判断は「「法的利益の侵害がなければ他のことは判断すべきではない」との考えから「職務該当性・憲法適合性についても判断する必要がない」とはっきりと書いてくれました。この判決が出てから初めての最初の下級審での判決が、今回の安倍首相の参拝訴訟の大阪地裁での判決であった。そこでの判決では最高裁と同じ判断をしてくれた。その地裁の判断は全く問題ないと大阪高裁も判断をしてくれました。
これで、今後の参拝訴訟の判決は最高裁をしめした「法的利益が無ければその他は一切判断するな」という従う流れになると予想されます。
⑦徳永弁護士 報告
靖國応援団を結成して裁判に介入していく事を決めた大阪高裁での判決を聞いたのが１５年前のこの場所でした。そして１５年たってもこの裁判がある事をまだまだかわらないんだなと思いますが、小泉裁判の最高裁判決の結果からの流れで、参拝訴訟は絶対に負けることはなくなったなと確信が持てるようにもなりました。
大阪弁護士会等で彼らに直接会う機会があるので聞いてみると、「今回は平和的生存権にスポットを当てている。安倍政権による右傾化を阻止するんだ」と言っていました。彼らに言わせると、「安倍首相が靖國神社に参拝すると、今後参拝できるようにして、戦争が出来るようにする。戦争すると必ず死者が出る。死者が出ると靖國神社に祀って貰えて、そうすると総理大臣に参拝してもらえるんだ。そういう既成事実をつくって戦争をしようとしているんだ」と考えているようです。
私は逆だと。参拝すら出来ないと中国は逆に舐めて攻めてくるぞと言ってやりました。裁判所も結論が出ているバカバカしい裁判には、理由も書かずに結論で棄却するようになってきたのではないかと思います。今日は何の反省点もない艶やかな喜ばしい話ですねという話しだけで壇上を降りられることを嬉しく思います。
⑧質疑応答
○東京はあと何回くらいで終る見通しでしょうか。
→次回が地裁の判決です。大阪では控訴審が２回開かれ判決となったので、東京でも
目指します。
ただし、相手方も支持者の手前、主文では勝てないことは分かっているとは思いま
なるべく長くすることも目的のひとつですので、そのせめぎ合いになると思います。
言いたくないことですが、小泉参拝訴訟の際には、終わったと思った頃に、合祀取
訴訟や韓国人・台湾人訴訟が出てきました。今回最高裁に持って行っても弁
でしょうから、大阪の支援者たちにとっては、行事が無くなってし
訴訟を起すのではないかと悪い予感がしています。
